PROJECT STORY

プロジェクトストーリー

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東京大学総合図書館 <93年の時を超える>

93年の時を超え、東京大学総合図書館を蘇らせる。

東京大学、本郷キャンパスにの赤門のすぐそばに佇む、東京大学総合図書館。

現在の図書館は、1923年関東大震災での旧図書館焼失の後、ジョン・ロックフェラーJr氏による寄付を受け、のちに第14代総長となる内田祥三氏の設計により昭和3年にアーチ形のエントランスを兼ね備えた、ゴシック様式の新しい図書館として再建された。
蔵書数は120万冊にも上り、質量ともに、国内最高レベルと言われている。

総合図書館は建設後90年近くが経過し老朽化が進み、耐震補強の必要性も生じていたことから、教育と研究のさらなる充実と発展のため、既存施設の大改修および新館(大規模地下書庫)の建設により図書館機能の大幅な拡充を行う、「アカデミック・コモンズ」計画の一環として計画された。
総合図書館の改修については全体として4期計画として、3期分についてはさらに3期に細分化され工事が進められた。

受注。そしてみんなが一丸となる。

当社は2期と3期-3、及び4期の改修電気設備工事を東京大学様より直接ご下命を頂いた。

2015年当時、東京進出後4年目であった当社としては、第1期の工事が、単体では最大の物件であったこともあり、東京支社の全精力を傾け、最高の仕事でお客様にお応えしようと、みんなが一丸となったプロジェクトであった。
改修の基本方針としては、本郷キャンパスの建設当時の空間形成等に復元することで歴史継承を行いつつも、省エネルギーや将来の変化に対応するというものであり、工事に際しては、どんなことがあっても決して失敗は許されず、限りなく細心の注意が必要なプロジェクトであった。
創建時の趣を残しつつ工事を行うことは、色々な面で苦労することもあったが、お客様と綿密に打ち合わせを行いながら、一つ一つ問題点を解決し、正確に工事を進めていった。

失敗はゆるされない。

2期の工事には、図書館の主要設備の中央監視システムの再構築と非常用発電機更新、各拠点の電力の見える化の再構築、新築当時のシャンデリア(当時)の復刻(8基)の制作などがあった。
早速難しい問題に直面する。図書館エリアの、通信(サーバー)の中枢がある最重要エリアであったため、トラブルが起これば、東京大学全体に波及する問題となるため、とても気を遣い、細心の注意で工事を進める必要があった。

また、現在稼働中の電気、通信、弱電ケーブルの中で必要なケーブルと不要なケーブルが混在しており、非常に広範囲かつ複雑なエリアでの詳細な調査が必要であった。この調査には最も注意を払い、時間と労力をかけて行った。
更に、史料編纂室は工事中も一般に使用されており、利用者の邪魔にならないよう、時間管理を徹底し、工事のタイミングなどを細かく図って計画をしていく毎日だった。



時間との戦い。正確に、細部まで。

加えて、自動火災報知設備に関しては、システムの更新があったので、パソコン上でのグラフィックの更新が必要であった。それを行うためには、東京大学内の全ての各部局の監視室のグラフィックを更新する必要があった。そのため、各部局と更新の打ち合わせを細かく行い、日にち、時間を細部まで調整する必要があり、とても困難を極めた。
もう一つ、高圧機器の改修については構内の年一回の停電日が決まっており、そのタイミングでしか高圧の停電ができなかったため、その日に合わせて各工事の工程の調整を行うことにも大変苦労した。

創建当時へ!

復刻照明においては、創建時の図面がなく、写真から大きさを割り出し、イラストを作成し、それをもとに何パターンかの図面化を行い、それを研究所の所長にご確認頂いた。何度も何度も打ち合わせを行って、ようやく、形が決定し、制作を依頼した工場にも、何度も何度も確認に行き、お客様の要望通りのものができた時の嬉しさはひとしおだった。
全体的には、時間との闘いといっていいほどのプロジェクトであり、関係者が一丸となって各役割を分担し、完成に至った。
特別なやり方で困難を乗り越えたというよりは、やはり一つ一つ確実に、決まったことを実行し、地道にお客様の要望を正確に聞き取り、それを如何に満足して頂けるかを考えながら、形にしていった。
必ず良いものに仕上げようという気持ちは関係したもの全員の気持であったことは言うまでもない。

全てが繋がり、光り輝く。

初めて臨んだ東京大学の仕事であり、最新の技術を使って、創建時を表現することができたことは、我々技術者としても、大きな喜びであり、大きな自信にもつながった。
全てが繋がり、光輝いた瞬間。
色々な困難もあったが、今となっては、懐かく、そしてとても誇らしい思い出となっている。
このプロジェクトが終わった後、たくさんの関係者の皆さんから、身に余るお褒めの言葉を頂けたことが、何より嬉しく、本当によかったと思った。
その後多くの東京大学の仕事に関わることになったが、今でも「藤井電機さんは、間違いないしっかりした業者なので、こちらも安心です」。と言って頂けることは、信頼や信用の大切さをあらためて、感じるところである。

誇りと情熱。常にプロ中のプロをめざして。 

仕事を通じて、自分の成長を感じられることも、この仕事をやっていてよかったと実感できるところ。
そして、それは私たちものづくりに携わる者の誇りでもあります。
これからも常に新しい技術を磨き、知識や経験を増やし、常に情熱をもってプロ中のプロをめざして行きます。